地味子さんの恋愛事情
「エロ小説じゃねーよ!

官能小説だ!」

大河は何クソと言うように竜馬に言い返した。

うわーっ、もう嫌な予感しかしないよ…。

あなたたちの間にいる私の身にもなってくれよ…。

「似たようなもんだろうが」

「何だとー!?」

「あー、もうはいはい!」

殴りあいに発展しかねない兄弟のケンカを、私は手をたたいて止めに入った。

全く、売り言葉に買い言葉とはまさにこう言うことを指差すんだな。

いつものことだからなれてしまってる自分も自分で情けないよ。

「食事中なんだからケンカしないでよ。

せっかくの親子丼がマズくなっちゃうじゃない」

そう言った私に、兄弟は大人しくなった。
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