地味子さんの恋愛事情
「どうしても知りたいんだったら、俺のものになってくれるか?

今夜俺の部屋にきてくれるって言うなら教えるぞ」

竜馬はそう言うと、ニヤリと笑った。

「ど、どうしてよ?」

何で事実と引き換えに竜馬の部屋に行かないといけないのよ!

そう思った私に、
「桃子が早く俺を選んで欲しいからだよ」

竜馬はそう言って、私の頬に唇を落とした。

「じゃ、待ってるから」

竜馬はニヤリと笑った後、私の横を通り過ぎて行った。

「ちょっ、ちょっと!」

スタスタと階段をのぼって行った竜馬を私は追うことができなかった。

「何てこったパンナコッタ…」

さすが兄弟、やり口が何とも言えないくらいによく似ている。
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