恋をしよう!
マジですか…。

そうですか…。

そりゃ、会えない訳でございますよ。

異動になってしまったら顔が見れない訳でございますよ。

衝撃的な事実に失神しそうになった時、
「美咲ちゃん、また面会だよ」

クラスメイトの田村千秋(タムラチアキ)ちゃんが声をかけてきた。

彼女の指は教室のドアの方を指差していたので、そこに視線を向けた。

「…またですか」

わたしは呟いた。

教室のドアに立っていたのは、1人の男だった。

履いている上履きの色が赤と言うところから見ると、今度は2年生ですか…。

今月に入ってから何回目なんだろう?

わたしは周りに気づかれないように息を吐くと、彼の方へ歩み寄った。
< 10 / 438 >

この作品をシェア

pagetop