恋をしよう!
よくよく見ると、荻原の顔はメイクが施されていた。

そうか、だからかわいいよりもキレイが勝っていたのか。

ようやく見つけることに成功した理由に、僕は納得をした。

「先生?」

首を傾げた荻原に、
「キレイ過ぎて、言葉が出てこなかった…」

呟くように、僕は言った。

「えっ、そうですか?」

そう言った荻原に、
「そうに決まってるだろ。

と言うか、それって仮装行列の衣装か?」

僕は聞いた。

「はい、衣装です。

先生も見ることはわかっていましたけれど、先に先生に見せたかったので…」

荻原は照れたように笑った。

ドキッ…と、僕の心臓が鳴った。

荻原、それは反則だ。

先に僕に見せたかったと言うのは、反則だ。
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