恋をしよう!
だけど、ある意味では正解だったかも知れない。

仮装行列の時にこの姿を見てしまったら、僕の心臓がうるさく鳴ることは目に見えている。

「クラスの子たちが衣装を作ってくれたんです」

荻原はクルリと、回転をして見せた。

ふわりと、スカートが回転した荻原にあわせるように舞った。

「衣装のテーマは、『ローマの休日』あたりに出ていたオードリー・ヘプバーンと言うところか?」

荻原の衣装を見ながらそう聞いた僕に、
「そうです!

先生、よくわかりましたね!」

荻原は嬉しそうに言った。

「何となくだけどな」

「でもすごいです」

荻原と笑いあっていたら、
「いけない!

もう仮装行列が始まっちゃう!」

壁の時計に視線を向けた荻原が慌てたように言った。
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