恋をしよう!
「高校生になったばかりだから遊びたいって感じ?」

そう聞いてきた田村さんに、
「そんなところかな」

わたしはハハッと笑ってごまかした。

本当のことを言うと、青いシャープペンを貸してくれたあの先生のことが気になってる。

そのシャープペンは…と言うと、ペンケースの中で大事に入れたままだった。

これだけは人に見せたくないし、何よりも1番大切にしたいんだ。

それよりも、生徒たちの中であの先生がどこの学校に異動になったか知ってる人っているかな?

他の先生に聞いても異動先を教えてくれないことは間違いないだろう。

だから噂にでもなっていないかと期待しているんだけど…やっぱり、それは難しいか。

ふぅと、わたしは周りに気づかれないように息を吐いた。
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