恋をしよう!
「荻原が注目を浴びていた時、寂しかった。

彼女は俺の恋人で、最も近くにいる存在のはずなのに、寂しかった。

荻原が遠くへ、それも僕の手の届かないところへと行ってしまったみたいだった」

「嫉妬した、ってことですか?」

そう聞いてきた荻原に、
「ああ、嫉妬したよ。

それも全生徒に僕は嫉妬したよ」

僕は素直に答えた。

それに対して荻原はクスッと笑うと、
「先生、心配しないでください」
と、言った。

「わたしは先生の恋人ですよ。

だから、先生以外の人を好きになりませんから」

そう言った荻原に、
「あんまりえらそうなことを言ってると、その唇をふさぐぞ?」

僕は言った。
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