恋をしよう!
ジョーダンのつもりである。

唇をふさぐ――要はキスな訳だけど、その行為は荻原にはまだ早いと思っている。

彼女は恋愛初心者な訳だから、少しずつ少しずつと段階を分で行こうと僕は考えている。

「ふさいでもいいですよ」

荻原が言ったので、僕は驚いて彼女の顔を見た。

「先生にふさいでもらえるなら、いつでも大歓迎です」

「おっ…!?」

出た、かわいい顔した肉食獣発言。

長いまつ毛に縁取られた大きな瞳が僕を見つめる。

ベビーピンクの唇は、もはや僕を誘惑しているとしか思えない。

と言うか、
「荻原にはまだ早過ぎるんじゃないか?」

「早いも何も…わたし、17ですよ?」

ごもっともな意見に、僕は言い返すことができなかった。
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