恋をしよう!
「本当に、いいのか?」

「いいですから、シてください」

ううっ、それは反則だろ。

真っ赤な顔でそんなことを言われてしまったら、負けるしか他がない。

麗しの王女様は、僕の前では1人の女の子だ。

そして、その女の子は僕の恋人だ。

「荻原」

「はい」

「目をつぶろうか」

僕の言う通り、荻原はゆっくりと目を閉じた。

正直なことを言うと、荻原の目を見たままでキスをする自信がなかった。

たぶん、彼女の目に映っている僕の顔は紅いに違いない。

目を閉じた荻原の肩に、僕はそっと手を置いた。

どうしよう…。

何だか緊張してきた…。

するのは僕だぞ?

まるで初めてのように、僕は緊張していた。
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