恋をしよう!
窓の外からグラウンドの歓声が聞こえるが、僕らの耳には入っていなかった。

少しずつ、僕は荻原に顔を近づかせた。

後少し…もう少しで、荻原との距離はゼロになる。

そして、
「3年6組の荻原美咲さん、実行委員の仕事がまだ残っていますので早く戻ってきてください」

校内を流れた放送に、僕たちはギョッとなった。

この声、古川だな…。

あのヤロー、邪魔をしやがったな…。

「後もう少しだったのに…」

荻原は顔を隠すように両手でおおった。

僕だって同じことを思ってるよ。

だけど呼び出しまでかかってしまった以上、無視をする訳にはいかない。

「先生」

荻原に呼ばれたと思ったら、チュッと頬にキスされた。

「次はシてくださいね」

そう言った荻原に、
「ああ、必ずな」

僕は答えた。
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