恋をしよう!
その日の放課後。

「へえ、荻原はY大に行くんだ」

いつものように数学準備室にきて、先生に進路のことを話した。

「意外でした?」

そう聞いたわたしに、
「荻原が決めたなら僕は言わないよ。

そもそも僕は荻原のクラスの担任じゃない」

先生が言った。

放課後の数学準備室に大好きな先生と2人きり――我ながら、何と言う少女マンガ的な美味しいシチュエーションなんだろうか。

「先生」

「何だ?」

わたしは先生の顔を見つめると、
「イチャイチャしてもいいですか?」

そう言った瞬間、先生は慌てたように数学準備室を見回した。
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