恋をしよう!
当たり前だけど、先生の手って大きいな。

わたしの小さな手を包み込んでいる先生の大きな手に、さらにドキドキと心臓は激しく鳴った。

「本当に男と手を繋ぐの初めてなんだな」

そう言った先生に、
「は、初めてですよ…」

わたしはちゃんと答えることができただろうか?

「結構華奢な手をしているんだな」

先生は珍しそうに呟くと、わたしの手をさわった。

きゃーっ、さわってるー!

先生がわたしの手をさわってるー!

ここが数学準備室じゃなくて、自分の部屋のベッドのうえだったら間違いなくジタバタしているところである。

ツーッ…と、確かめるようになぞるその指先に、口から声が出てしまいそうになる。
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