恋をしよう!
マズい…。

普段は隠れているうなじを見ただけなのに、理性が崩れそうだ。

どうにかして崩れそうになる理性を立て直すと、チェーンの金具を外した。

ネックレスを荻原の首にかけると、チェーンを留めた。

「終わったぞ」

僕が声をかけると、荻原は僕の方に顔を向けた。

「おっ…」

荻原の細い首にかかっているネックレスに、僕の心臓がドキッ…と鳴った。

選んだ甲斐があったと、本当に心の底から思った。

「荻原」

僕は名前を呼ぶと、荻原の肩に両手を置いた。

「あっ…」

そのとたん、荻原は顔を真っ赤にさせた。

体育祭に抱きしめたことと言い、テスト前に手を繋いだことと言い、本当に何もかも全てが初めての経験のようだ。
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