恋をしよう!
こんなにもかわいい顔をしているのに、ものすごくと言っていいほどに頭がいいのに、どうして誰ともつきあわなかったのだろうか?

ある意味、それが不思議で仕方がない。

「目を閉じて」

そんな大きな目で見つめられてしまったら、僕の理性が壊されてしまう。

相手は初めてなんだから、慎重に。

僕の言葉に、荻原はそっと目を閉じた。

よし、これで理性が壊される心配がなくなった。

ゆっくりと、僕は荻原に顔を近づけた。

彼女の唇まで後少し、もう少し…だんだんと、距離はゼロに近づいて行く。

間近になったところで、僕は目を閉じた。

「――ッ…」

その瞬間、僕の唇が荻原の唇に触れた。
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