恋をしよう!
教師と言うものに夏休みはない。

午前中はテストで赤点を取ってしまった生徒たちのために補習授業を行い、午後には2学期の授業内容を検討したり、レポートを書いて研修に備えないといけない。

そのうえ僕は3年生のクラス担任なので大学受験や就職のことも考えないといけない。

20年前は土曜日も授業があったと言うこともあり、教師も生徒たちと同じ夏休みがあった。

なのに今は生徒たち――例外もいるが――は夏休みで、教師はいつも通りに出勤しないといけないと言う状況である。

日曜日が休みと言うのが救いだ。

「ふう、終わった」

補習授業を終えると、昼食を食べるために職員室へと向かった。

「あっ、岡田先生」

その声に視線を向けると、古畑先生だった。

「お疲れ様です」

声をかけた僕に、
「岡田先生もお疲れ様です」

古畑先生が言った。
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