恋をしよう!
その日は荻原の誕生日である。

そうだ、これもすっかり忘れてた。

恋人…な訳だから誕生日を祝ってあげるべきだよな。

荻原にも考えておくと言ってしまった以上、やらないと言う訳にはやらない。

「仕方ないな」

荻原の誕生日である8月10日から15日までにするか。

申請書類に希望の日と名前を書くと、印鑑を押した。

よし、これでいいな。

すでに昼食を食べ終えた学年主任の先生のデスクへ行くと、
「すみません、お願いします」

申請書類を渡した。

さて、どうやって荻原の誕生日を祝うか考えなければ…。

そう思いながら、僕はカバンから弁当箱とペットボトルのお茶を取り出した。

ふと、僕は気づいた。

そう言えば、歴代の恋人たちの誕生日を祝うことに真剣になったことがあっただろうか?
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