恋をしよう!
夜の7時を過ぎると、それまで明るかった空が暗くなり始めた。

そんな空の下を歩きながら、
「困ったな…」

僕は考えていた。

荻原の誕生日を祝うために5日ほど有給を取ったのはいいが、どうやって彼女の誕生日を祝ってあげようか?

誕生日まで時間がない。

「何てこったパンナコッタ…」

普段は口に出さないダジャレを呟きながら、僕は自宅マンションに到着した。

エレベーターを待っている間、僕は掲示板に視線を向けた。

「おっ、もうそんな季節か」

掲示板には花火大会のお知らせが貼られていた。

今年は8月10日に開催されるのか。

僕が住んでいるマンションは10階建てで、僕はそのうちの8階の東側の部屋に住んでいた。

外から見える景色はとても眺めがよくて、当然毎年行われている花火大会もわざわざ会場に行かなくてもよく見えるのだ。
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