恋をしよう!
ああ、でも先生がピアノ…エレクトーンだけど、楽器ができたことに驚いたな。

しかも、今度の休日に苦手な歌の指導をしてもらうことになったのだ。

ウフフ、早く休日にならないかなあ。

「荻原さん、次のセリフ」

その声に、わたしはハッと我に返った。

「えっ…ああ、えーっと…」

しまった、集中してなかった!

「3ページの4行目辺り」

コソッと、隣の子が教えてくれた。

「ありがとう」

わたしは隣の子にお礼を言うと、セリフを読んだ。

あーあ、何だか先が思いやられてきた…。

と言うか、ぼやーっとしてたわたしが悪いんだけど。

「荻原さん、次」

「ああ…」

今は先生のことを忘れることにしよう。

どうせ休日になったら、先生に会えるのだから。
< 237 / 438 >

この作品をシェア

pagetop