恋をしよう!
あんなに遠くに感じていた荻原が、僕の目の前にいる。

そう思ったら、
「――せ、先生?」

突然抱きしめてきた僕に、荻原が戸惑ったのがわかった。

ああ、こんなにも1番近くにいる。

「メールを送ったのに、君がこなかったらどうしようかと思ってたんだ」

そう言った僕に、
「先生がきてって言ったら、わたしはいつでもどこでも先生のところへ駆けつけますよ」

荻原が僕の背中に両手を回した。

「たとえ、地球の裏側でも先生がきてって言ったらきますから」

「いや、それはないだろ」

そもそも、地球の裏側へ行く機会があるのか?

そう思ってツッコミを入れた僕に、
「たとえば…って言ったじゃないですか」

荻原が笑いながら言い返した。
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