恋をしよう!
「そうだよ」

僕が言い返したとたん、荻原は驚いたと言うようにこちらを見た。

「えっ、その…」

戸惑っている荻原に、
「何事にも動じていないと言うようにドナを演じてる荻原が、僕は寂しかった。

君は僕の恋人のはずなのに、遠い存在のように感じた。

だから、後夜祭を抜け出して数学準備室にこいってメールしたんだ」

僕は思ったことを全て話した。

「せ、先生…」

しまった、少し言い過ぎた…。

「すまん、つい勢いで…」

呟くように謝った僕に、
「隠さなくてもいいですよ。

わたしは先生と一緒に過ごすことができて嬉しいですから」

荻原は笑った。

その笑顔に、僕の心臓がドキッ…と鳴った。
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