恋をしよう!
「だからと言って僕が教える訳がないだろ。

教科が違う」

「でもピアノ弾いてましたし、歌も教えてくれたじゃないですか」

「それとこれとは話が別だ」

「先生、ずるいです!

もう1度言ってください!」

恥ずかしいから言える訳がないだろ。

だから、荻原が苦手な英語で自分の気持ちを伝えたって言うのに。

「荻原、それ以上言うならばキスするぞ」

そう言った僕に、
「どうぞ…」

荻原が言った。

おいおい、そこに恥ずかしいと言う気持ちはないのか。

窓の外から差し込んでいるオレンジ色の炎が、荻原の顔を照らしていた。

その顔に引き寄せられるように、僕は荻原と唇を重ねた。

Without you I is useless.

――あなたなしでは僕はダメになってしまうんです。
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