恋をしよう!

わたしの推薦入試-Misaki-

10月も終わりに近づくと、あんなにも厳しかった残暑はなくなった。

その代わりに、ひんやりと涼しい空気が肌を包んだ。

「――いよいよか…」

その日、わたしは第一志望のY大学の前にいた。

ブレザーのポケットに手を入れると、それを取り出した。

高校の入試の時に先生に貸してくれた、青いシャープペンである。

「先生、最後まで頑張ります」

そのシャープペンに向かって声をかけた後、ブレザーのポケットに入れた。

もう1度目の前の建物に視線を向けると、その敷地内に足を踏み入れた。

試験内容は小論文だけとは言え、やはり緊張してしまう。

一体、どんな課題が出されるのだろうか?

そう思いながら、足を進めたのだった。

今日はY大学の推薦入試である。
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