恋をしよう!
「それにしても、本当にY大でいいのか?

荻原ならそのうえの大学を狙えると思うんだけどなあ」

そう言った先生に、
「そのうえって、例えば?」

わたしは聞いた。

「んー、K大とかI大とか」

「担任の先生にもそう言われたんですけれども、家から遠いので」

「それでY大を選んだと言う訳か」

「そうですね」

わたしはそう言い返した後、先生を見つめた。

「何だ?」

「ねえ、先生。

入試に合格したら、わたしのお願いを聞いてもらえますか?」

そう言ったわたしに、
「可能な範囲でな」

先生が言い返した。

「じゃあ、言いますね。

先生の予定次第でいいんですけど、どこかへ旅行に行きませんか?」
< 259 / 438 >

この作品をシェア

pagetop