恋をしよう!
そう言ったわたしに、
「りょ、旅行!?」

先生は驚いたと言うように聞き返した。

「やっぱり、無理ですか…?」

先生もいろいろと忙しいから、休みを取るのは難しいかも知れない。

「無理と言う訳ではないけれど…」

先生は困ったと言うように腕を組むと、息を吐いた。

「とりあえずだけど、考えてもいいか?

そうだな、荻原の入試の合格発表の日まで。

その時にちゃんと答えを出すから」

そう言った先生に、
「あー、そうですか…」

わたしは答えることしかできなかった。

先生からして見たら、旅行は無理難題過ぎたみたいだ。

ちゃんと答えを出すって言ったけれど、やっぱり難しいかな…。

先生に気づかれないように、わたしは息を吐いた。

 * * *
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