恋をしよう!
試験会場は5階の大教室だった。

手元にある受験票を確認しながら、指定された席に腰を下ろした。

ペンケースからシャープペンと消しゴムとシャープペンの芯を取り出すと、手元に置いた。

ついでにブレザーのポケットから青いシャープペンを取り出すと、それを見つめた。

わたしと先生の全ては、このシャープペンから始まった。

高校入試の日、シャープペンが壊れて困っていたわたしのために先生はこっそりとシャープペンを貸してくれた。

それから2年と言う時間が経って、先生と再会して、つきあっている。

今までの出来事を思い出して浸っていたら、
「ただ今から試験を始めます。

試験内容は小論文。

制限時間は90分、文字数は800字以内です」

教卓の前に試験官がきて説明を始めていた。
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