恋をしよう!
「前から問題用紙を配りますので、受け取った方は合図があるまで裏を向けて待ってください」

試験官が前から順番に問題用紙が配られた。

前の人からそれを受け取ると、次の人に回した。

「全部配られたでしょうか?

受け取っていない方は手をあげてください」

青いシャープペンを机のうえに置くと、試験が始まるのを待った。

「それでは…始め!」

試験官がそう言ったのと同時に、あちこちから問題用紙を表へと引っくり返した音が聞こえた。

わたしも問題用紙を表へ引っくり返した後、シャープペンを手に持つと、そこに名前と受験番号を書いた。

えーっと、小論文のテーマは『ネット時代のコミュニケーションについて考え論じなさい』か…。

うーん、なかなかの難題を出してきたなあ。

周りからはカリカリと、シャープペンを動かしている音が聞こえていた。

参ったな、どうすればいいんだろう…。
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