恋をしよう!
今週の土曜日の夜?

わたしは首を傾げると、
「特に予定はないですけど…どうかしたんですか?」
と、先生に聞いた。

「どうかしたって…この間、お前が旅行に行きたいって言ってたじゃないか」

「ああ、そうでしたね」

自分で言ったはずなのに、試験のことですっかり忘れてしまっていた。

「隣の県になるんだけど、ホテルを予約したんだ。

さすがに遠出の旅行は時間的にも世間的にも難しいと思うから、近場でだけど旅行気分を楽しんでもらおうと思ってさ。

荻原がよかったらだけど、どうだ?」

そう聞いてきた先生に、
「嬉しいです」

わたしは答えた。

先生が真剣に考えてくれたんだと思うと、嬉しくて仕方がなかった。

「もちろん、行きます!

絶対に行きます!」

そう言ったわたしに、
「じゃあ、今週の土曜日…そうだな、午後2時に7月にデートした時に待ちあわせたコンビニで待っててくれ」

先生が言った。
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