恋をしよう!
ルームサービスがきたようだ。

僕はドアの方へと歩み寄ると、扉を開いた。

「お待たせしました、ルームサービスです」

カラカラと台車を動かしながら、従業員が部屋の中に入ってきた。

「わーっ、ルームサービス初めてなんです!」

荻原は嬉しそうに言うと、両手をあわせた。

「それはよかったな」

そう言った僕に、
「ありがとうございます」

荻原がお礼を言った。

「和風ステーキ御膳です。

どうぞごゆっくりとお楽しみください」

手際良く準備を済ませると、従業員は会釈をした。

「そちらのお客様は好きなお酒を選ぶことができますが、どれにいたしましょうか?」

そう言って従業員は僕の前にメニューを差し出した。

「はあ、そうですか…」

チラリと、僕は荻原に視線を向けた。
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