恋をしよう!
荻原は未成年なので、当然ジュースである。

彼女はジュースなのに、僕だけがお酒を飲むのは気が引けた。

「構いませんよ」

荻原が言った。

「飲みたいんだったら、どうぞお構いなく」

そう言った後、荻原は会釈をした。

本人がお構いなくって言ってるから、ここは彼女の気持ちに甘えることにするか。

「じゃあ、赤ワインでお願いします」

「はい、かしこまりました」

従業員は手なれたように赤ワインを開けると、グラスに注いだ。

「では、ごゆっくりどうぞ」

従業員は会釈をすると、部屋から立ち去った。

バタンとドアが閉まったのを確認すると、
「本当によかったのか?」

僕は聞いた。

「先生、飲みたそうな顔をしてたじゃないですか。

構いませんよ」

荻原は笑いながら答えた。
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