恋をしよう!
別に気をつかわなくてもいいのにな。

そう思ったけれど、荻原の好意を素直に従うことを選んだ。

「では…荻原の合格を祝って、乾杯」

「カンパーイ」

カチンと僕と荻原のグラスが重なった音がした。

荻原はステーキを口に入れると、
「うん、美味しいです!」

嬉しそうに、首を縦に振ってうなずいた。

「先生も食べてみてください!」

荻原は箸でステーキを1切れつまむと、それを僕のところへと持ってきた。

…この部屋にいるのは僕と荻原の2人だけだからいいか。

そう思うと、僕はステーキを口に入れた。

「おっ、結構柔らかいな」

「でしょ?」

首を縦に振ってうなずいて同意をすると、赤ワインを口に含んだ。

ワインのいい香りが鼻を抜けた。
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