恋をしよう!
本当にジョーダンであってくれと願っていたら、
「ジョーダンなんかじゃありません。

本当に先生が好きなんです」

荻原が言った。

「荻原、立場を考えろ。

俺は教師で…」

「そんなことくらいわかってます。

でもそんな壁なんて、わたしの中ではどうでもいいことです」

僕の話をさえぎるように、荻原が言った。

かわいい小動物だと思っていた彼女の中身は、肉食系女子だったようだ。

「先生の前では肉食系ですよ?

だって、先生のことが好きなんですから」

僕の頭の中を読んだと言うように、荻原は笑った。

その笑顔は、ライオンが舌なめずりをしながらうさぎを遊んでいるような笑顔だった。
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