恋をしよう!
「どうかした?」

あまりにも荻原が見つめてくるから、僕は声をかけた。

「先生、飲み過ぎてないですか?

顔が赤いですよ?」

荻原が言った。

「飲み過ぎって、たったの1本じゃないか」

僕は笑った。

「お酒が苦手なら苦手だって…」

呟くように言った荻原に、
「苦手って言う訳じゃないよ。

ただワインはすぐに酔うからあまり得意じゃないけど」

僕は答えた。

「よ、酔う!?」

あっ、しまった。

そう思ったけど、時すでに遅しである。

「えーっと…1本くらいなら平気、だけどね?」

すぐにフォローした僕だけど、僕を見つめている荻原の表情は変わらなかった。

…どうすればいいんだ。
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