恋をしよう!
「先生、完全に変質者ですよ」

「んーっ、何だかいい匂いがするなって思って」

「気のせいだと思いますから」

いつもはグイグイと攻めてくるはずの荻原が大人しい。

「ご機嫌ななめなのか?」

そう聞いた僕に、
「な、何がですか?」

荻原は訳がわからないと言う顔をした。

「と言うか、わたしはいつまでこうしていればいいんですか?」

逆に聞き返してきた荻原に、
「いつまでって…一生とか?」

僕は答えた。

「いっ、一生…!?」

荻原は驚いた顔をして僕を見つめた。

「ダメか?」

「いや、ダメとかどうとかの問題ではなくて…」

普段の肉食ぶりはどこへ行ったのかと聞きたくなるくらい、荻原は大人しかった。
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