恋をしよう!
「じゃあ、こうして僕の隣にいてよ。

君は僕の奥さんになるんだから」

そう言った僕に、荻原の顔が真っ赤になった。

「おっ、おっ、おっ…」

オットセイかよ。

こんな時にオットセイのモノマネをするヤツがあるか。

そう思いながら真っ赤な顔の荻原を見つめていたら、
「先生のお嫁さんになっても構わないですけど、お酒はなるべく控えてくださいね」

ポスンと真っ赤な顔を隠すように、荻原は僕の胸に顔を埋めた。

「荻原?」

呼んでも返事が返ってこなかった。

「3年6組33番、荻原美咲」

クラスと出席番号をつけても、彼女からの返事はなかった。

本当にどうしたんだ?

まあ、荻原はここにいるみたいだからいいか。

やってきた睡魔に誘われるように、僕はそっとまぶたを閉じた。
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