恋をしよう!
「だから、ね?

あんまり言いたくないから、千秋ちゃんも黙っていてね?」

両手を前に出してお願いのポーズをしたわたしに、
「…まあ、美咲ちゃんがそこまで言うなら」

千秋ちゃんは降参したと言うように呟いた。


家に帰って自分の部屋に入ると、
「あー、疲れた…」

ベッドにもたれかかるように、その場に座り込んだ。

あれから特に聞いてこなかったところを見ると、うまくごまかすことに成功した。

カバンからスマートフォンを取り出すと、着信があった。

確認をすると、先生からの電話だった。

何か用かな?

そう思いながら先生の電話番号をタップすると、電話をかけた。

「もしもし?」

「先生ですか?」

「ああ、荻原か」

すぐに先生が電話に出た。
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