恋をしよう!
「早く食べましょう?

冷めちゃいますよ?」

そう言った荻原に、
「ああ、そうだな」

僕は答えると、彼女と一緒に椅子に座った。

黙々と朝食を食べながら、僕はふと思ったことを口に出すことにした。

「なあ」

僕は声をかけた。

「はい」

箸を置くと、荻原が僕の顔を見つめた。

「――2人きりの時くらいは、名前で呼ぶか?」

そう言った僕に、
「えっ…」

恥ずかしそうに荻原は顔を紅くした。

自分でも何でこんなことを言ったのかよくわからなかった。

だけど、2人きりの時は名前で呼びあうのも悪くはないかも知れないとそう思った僕がいた。
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