恋をしよう!
うーむ、これは手ごわいぞ…。

荻原美咲と言う人間は、僕が思っている以上に手ごわい人間のようだ。

かわいいうえに頭がいいって、どこのマンガのヒロインだよ。

「先生」

荻原が僕を呼んだ。

「早く教えてくれませんか?」

上目づかいで僕を見つめながら、荻原はシャープペンでトントンと教科書をたたいた。

彼女のその様子に、僕は勉強を教えていたことを思い出した。

しまった、荻原のペースに飲み込まれてしまったせいで目的を忘れてしまっていた。

「教わったら帰るんだぞ?」

そう言った僕に、
「はーい」

荻原は返事をした。
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