恋をしよう!
古川は僕を見つめると、
「あなたを追い出そうと思っているなら、こんなことしませんよ。

俺は荻原先輩のつきあっている人があなただったって言うことが気にいらないんですよ」
と、言った。

「別れただろ、もう僕と荻原はつきあっていない」

そう言い返した僕に、
「でも、俺が見えないところでヨリを戻すって言う可能性もあるでしょ?」

古川が言い返した。

「もし僕が彼女とヨリを戻したらどうするつもりだ?」

そう聞いた僕に、
「どうするんでしょうねえ」

古川は意味深な笑みを浮かべた。

そうなってしまった場合、彼が黙っていないことは確かである。

「少なくとも、荻原先輩が学校を卒業するまでは監視を続けますから」

古川はそう言った後、数学準備室から立ち去った。

彼の後ろ姿が見えなくなった。

「クソッ!」

ダンッ!

拳で机をたたきつけたら、当たり前だけど痛みが襲った。
< 358 / 438 >

この作品をシェア

pagetop