恋をしよう！
昼休みに２年生の、それも特進科の教室へやってきたら変に思われるだろう。

当たり前だ、わたしは普通科に通っている３年生なんだから。

「あれって、荻原さんじゃないか？」

「何で２年の教室にきているんだろう？」

注目を浴びるのはいつものことだけど、今は気にしている場合ではない。

わたしは戦わないといけない事情があるんだから。

２年１組の教室に到着すると、そこで音楽を聞きながらパンを食べている古川くんの姿を見つけた。

「古川聡くんを呼んできてもらってもいいかな？」

ドアの近くで弁当を食べている女子生徒に声をかけると、古川くんを呼ぶように頼んだ。

「ええ、いいですよ」

女子生徒は首を縦に振ってうなずくと、椅子から立ちあがって古川くんの席へと向かった。

彼女に声をかけられた古川くんは、わたしの姿に驚いたと言うように目を見開いた。

食べかけのパンを袋に入れてカバンの中に入れると、古川くんはわたしのところへと歩み寄った。

…準備はできた。
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