恋をしよう!
「ひどいわ、古川くん!

あんまりよ!」

悲鳴のような声で古川くんに向かって叫んだ後、両手で顔を隠した。

「えっ、あ、あの…?」

突然のわたしの様子に、古川くんは訳がわからないと言うように戸惑っている。

「おいおい、どうした?」

「古川のヤツ、荻原さんに何をしたんだ?」

周りの視線がわたしたちに集中する。

「古川くんがそんな人だったなんて思わなかったわ!」

さっきよりも大きな声で叫んだわたしに、
「えっと…その、あの…」

古川くんはさらに戸惑った。

「あんまりよ…。

あんまりだわ…」

わたしは涙…ではなく、目薬で濡れた瞳を古川くんに向けた。

泣いていると勘違いした古川くんがさらに戸惑った。
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