恋をしよう!
「それに、美咲ちゃんならすぐに看板女優になれると思ってるし…」

まだ話を続けるの!?

そう思ったら一緒にいることが嫌になってきて、
「あの!」

わたしは大きな声を出して、あすみちゃんの話を止めた。

「…えっと、どうかした?」

あすみちゃんは困ったように首を傾げた。

「わたし、やりませんから!」

そう宣言したわたしに、あすみちゃんの顔が止まった。

「演劇とか女優とかそう言うのに興味がなければ望んでもいないので、そんなことを言われても困ります」

よかった、言えた…。

そう思っていたら、
「そっか…」

あすみちゃんはがっかりした顔を浮かべた。

「ごめんね、つい言い過ぎちゃった…」

さっきまで笑顔で話をしていた彼女だけに、わたしはどうすればいいのかわからなかった。
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