恋をしよう！

岡田雅仁流彼女の癒し方-Masahito-

新学期が始まった。

美咲が高校を卒業するまで、残りわずかとなった。

まあ、美咲が学校に通うのは今月いっぱい――それも、学年末テストが終わったらである――だから関係ないか。

その日も放課後になると、美咲は数学準備室にやってきた。

さて、どうしたものなのか…。

美咲から冬休みのことをいろいろと聞かされるのだろうと覚悟していたのだが、彼女はどこかぼんやりとしていた。

「美咲、どうかしたか？」

そう声をかけた僕に、
「えっ…ああ、はい」

美咲はハッと我に返ったと言うように返事をした。

「風邪でもひいたのか？

なら早く帰って寝た方がいいぞ」

そう言った僕に、
「風邪なんかひいてないですよ」

美咲は首を横に振って否定をした。

風邪じゃなければ…じゃあ、何なんだ？