恋をしよう!
「じゃあ、もういい?

もう用がないなら電話を切るよ」

「ああ、うん…ありがとうね」

わたしがお礼を言い終わったのと同時に、電話が切られた。

「話しあいか…」

規則正しい機械音が鳴っているスマートフォンの画面を見ながら、わたしは呟いた。

いつまでも両親に隠れて先生と交際を続けると言う訳にもいかない。

梨代ちゃんには結婚を前提に…なんてえらそうなことを言ってしまったけれど、本当のところはどうなのかわたしにもよくわからない。

わたしはこのまま先生とつきあって、できることならば結婚をしたいと考えている。

だけど、先生もわたしと同じ気持ちとは限らない。

「先生は、わたしと結婚をしたいのかな…?」

せっかくの卒業旅行を先生と一緒に楽しみたいところだけど、今回のことを機会に先生と今後のことを話す方がずっと大切なのかも知れない。
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