恋をしよう!
ホテル内の喫茶店で温かい飲み物を飲んで冷えた躰を温めていたら、
「雅仁さん」

ココアを飲んでいた美咲が僕の名前を呼んできた。

「何だ?」

僕はコーヒーが入っているカップをテーブルのうえに置くと、向かい側の席に座っている美咲を見つめた。

「雅仁さんは、わたしと結婚したいって思いますか?」

そう聞いてきた美咲に、僕は椅子から落ちそうになった。

「け、結婚?」

いきなり何の話をしているんだよ。

「ええ、結婚ですよ」

美咲は首を縦に振ってうなずいた。

これは、ジョーダンではなさそうだ…。

「だけど、どうして結婚の話をするんだ。

まだ交際して半年が経ったと言うところだろ?」

そう言った僕に、
「交際は半年かも知れないけど、わたしの片思いは長かったです」

美咲はそう言ってテーブルのうえに何かを置いた。
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