恋をしよう！
青いシャープペンだった。

…んっ？

「これって…」

シャープペンを指差した僕に、
「３年前の高校入試の時のことを思い出しましたか？

シャープペンが壊れて困っていたわたしに、雅仁さんは机にぶつかったフリをして自分のシャープペンを貸してくれたんです」

美咲が答えた。

そうだ…。

３年前にそんな出来事があったんだ…。

あの日の出来事は、もちろん覚えている。

試験開始と同時にシャープペンが壊れた女子生徒にどうにかして自分のシャープペンを貸せないかと思って考えたことは、彼女の机にぶつかって渡すことだった。

「大切に持っててくれたんだ」

僕はシャープペンを手に取った。

「わたしと雅仁さんを繋ぐきっかけの大切なものを捨てる訳なんてないじゃないですか」

美咲は言った。
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