恋をしよう!
「わーっ、こんなところで結婚式を挙げたらどんなに素敵なんだろう」

美咲は教会の中を見て歩き回りながら言った。

「そうだな」

そんな彼女を見ながら、僕は頭の中でウエディングドレス姿を思い描いていた。

日本人らしく着物もいいかと思ったけれど、ドレスも悪くないかも知れない。

そう思っていたら、
「雅仁さん」

美咲の声に視線を向けると、彼女は祭壇の前にいた。

一瞬…本当に一瞬だが、ウエディングドレス姿の彼女が見えた気がした。

祭壇の前にいる美咲の前へと歩み寄ったら、
「何だか本当に結婚式をしているみたい」

美咲はフフッと嬉しそうに笑った。

「まだ早いだろう…」

そう呟いた僕だけど、本当にそんな気分になってしまったと言うのはここだけの秘密にすることにした。
< 428 / 438 >

この作品をシェア

pagetop