恋をしよう!
卒業式が始まった。

先ほどは理事長先生の長い話で、今度は役員さんの長い話である。

後何分くらい続くかな。

と言うか、先生はいるのかな?

そう思いながら先生の席にチラリと視線を向けると、
「あっ、いた」

当たり前だけど、そこに先生が座っていた。

学校で先生の姿を見るのはこれで最後か。

そう思いながら先生の姿を見つめていたら気づいたのか、先生と目があってしまった。

それに対して、わたしはニコッと笑った。

先生もわたしに向かって笑うと、前へと視線を向けた。

クラス代表で1人だけが卒業証書を受け取ると、次は在校生の送辞である。

「在校生代表、古川聡」

「はい」

壇上に現生徒会長の古川くんがあがった。
< 432 / 438 >

この作品をシェア

pagetop