恋をしよう!
古川くんのせいで大変なことになったけれど、今ではいい思い出だ。

そのおかげで、先生と思いの再確認ができたしね。

古川くんの送辞を聞きながら、わたしは今日までの出来事を振り返った。

3年前の高校入試で、先生と出会ったこと。

先生が他の学校へ異動になったことにショックを受けたこと。

でも卒業までに1回だけでもいいから先生に会いたいと思っていたら、先生が赴任してきたこと。

先生を振り向かせたくて、テストで100点を取るために必死で勉強をしたこと。

憧れだとか恋に恋をしてるだけだって言われても、先生を好きな気持ちは変わらなかった。

先生と両想いになった嬉しさは、まるで昨日のことのように覚えている。

初めてのキス、初めてのデート、初めての…わたしの初めては、全て先生だった。

でも、わたしの初めてが全て先生でよかったと思ってるよ。

先生は、わたしの初恋だから――。
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