恋をしよう!
荻原は僕の顔を覗き込むと、
「先生、わたしのことを好きになってください。

わたしが数学で80点以上を取ったら…」

「ちょっと待て、80点はないんじゃないか?」

彼女の言葉をさえぎるように、僕は言った。

「えっ、どうしてですか?」

そう聞いてきた荻原に、
「君が勝つのが目に見えてる」

僕は答えた。

「わたしが勝つって、ええっ?」

「荻原が成績いいのはよく知ってる。

2年生の学年末テストもかなりの成績を出してた。

その中でも最高得点だったのは、数学の98点だった」

「あら…」

荻原は大きな目をさらに大きく見開かせると、手を口に当てた。
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