恋をしよう!
 * * *

「えっ、テスト期間の間だけ勇吾を貸して欲しい!?」

梨代ちゃんは電話越しで驚いた声をあげた。

今日はいつもの“先生”ではなく、“勇吾”と名前のようだ。

「何とかできないかな?

テスト期間中の間だけ、山吹さんに数学を重点的に教えてもらいたいの」

そう言ったわたしに、
「いや、無理よ。

勇吾だって今、学校がテスト期間に入っててそれどころじゃないんだから」

梨代ちゃんは答えた。

「えー、そんなー」

嘆くように言ったわたしに、
「それよりも、どうして勇吾にそんなことを頼むのよ?

美咲ちゃん、成績いいから誰にも教えてもらわなくてもいいじゃないの」

梨代ちゃんが言った。
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